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news & diary

2019/Jun/30

2019.07.19 fri.-28 sun.ケニア・キリフィの刺繍家「Dhahabu(ダブ)」作品展

2016年、『FLUFFY AND TENDERLY』がオープンしたときからずっと扱い続けているKirsten Hecktermann(キルステン・ヘクターマン)の手染めのクッションや布小物。今年3月、キルステンが初めて来日、苦楽園と東京で展示会を開催しました。

このときキルステンが持参したのがケニアの刺繍作家ダブの作品。ディスプレイをしながらダブの作品とその背景についていろいろと話してくれたのです。

ケニア・キリフィで子ども時代を過ごしたキルステン、お父さまは今もその地で暮らしています。高齢でひとり暮らしのお父さまのサポートをしてくれている人たちのひとりがダブのご主人。彼は若くして小さな集落をまとめる長をしています。奥さまのダブは専業主婦でしたが、キルステンと出会い刺繍の仕方を覚えると、針と糸だけでどんどんと自分の世界をつくり始めました。

ダブが刺繍を始めたばかりのころにシンプルなステッチだけでつくった作品を見たキルステンは、そのセンスに衝撃を覚えました。一色だけの刺し子のような作品。正方形の生成りのコットンにステッチだけで描き出されたデザインは、そのバランスやフォルム、白場の使い方などすべてにおいて、類い稀なセンスと独自の世界感を持っていました。

そこでもう少し複雑な刺繍の手法を教えると、今度はさらに奥深いダブの世界をつくり始めました。テレビやネットのないキリフィで、ダブがつくる作品のモティーフは花や動物などの自然です。けれどその作品は、プリミティブと洗練を併せ持つどこか前衛的なフォークアート。ダブ自身が生まれ育った場所に溢れる色と線で、身近なモティーフを見事なアートへと昇華しています。

そのセンスにすっかり魅せられたキルステンは、自分の染色作品とのコラボ作品をつくったり、ダブの作品の展示会をイギリスで開催したりと、さまざまな形でダブのクリエーションの紹介を始めました。ついにはサフォークの刺繍コンクールに出品して、入賞を獲得したのです。

3月のキルステン・ヘクターマン展、東京会場にて。

生まれ育ったキリフィの集落には学校がなく、読み書きができなかったダブ。キルステンを通して作品を販売することで得た収益で、小さな土地を買い、小さな小屋を建て、学校の先生にお願いして来てもらい、学校に行けない子供たちのための寺子屋のような施設をつくりました。自分の子どもやグループの子ども、そしてダブ自身も自らがつくった寺子屋で学びはじめました。そうして少しずつ文字を覚え、作品にDhahabuとサインを入れられるようになったと言います。

キルステンは今もずっとダブの活動をサポートするため、作品をイギリスで紹介して利益のすべてをダブへ送り続けています。3月のキルステン・ヘクターマン展で、キルステンから初めてその活動について聞かされたわたしたちは、もう一度改めてダブの作品を紹介する展示会を開催しようと考え、この7月にようやく実現することになりました。

3月にキルステン・ヘクターマン展で紹介していた作品に加え、今回新たにケニア・キリフィから届けられた新しい作品を、キリフィの風景写真と一緒に展示販売します。アート作品を通して、遠い日本から、キルステンの活動と、ダブの活動をサポートできる貴重な機会になると思います。

ケニア・キリフィの刺繍家 Dhahabu(ダブ)作品展
2019.07.19 fri.-28 sun.
at DENQUINA TO GO 2F
西宮市松風町4-6
営業時間 8:00-18:00 水曜定休
*会場では、キルステン・ヘクターマンの直伝「ケニアのカレープレート」をご用意します。

キルステンの染めたシルクとダブの刺繍。

キルステンがつくったダブのブック。3月は東京会場のみでの紹介となりましたが、今回は苦楽園で見ていただけます。

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