2016/Jan/13 乾燥した曇りの日に手染めでつくる
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イギリス・サフォークのファブリック作家キルステン・ヘクターマン
乾燥した曇りの日に手染めでつくる
微妙な色合いのクッション。
キルステン・ヘクターマンは、自宅の庭で手染めをしたヴェルヴェットを使った素晴らしいクッションをつくっています。
ケニアの牧場で生まれ育ったキルステンは、料理人として仕事をスタートしました。あるときナイロビで『愛と哀しみの果て』の撮影が行われることになり、キルステンは料理人として参加しようと試みましたが女性はキッチンに入れないということで、コスチューム・チームに参加することになりました。その仕事を通じてイギリスでコスチュームの仕事に就き、アンティーク・テキスタイルのリメイクを知ることに。その後10年ほど映画のコスチュームの仕事をしたのち、90年代にはイビサ島に移り住み、ヨガの静養所をスタートします。このときイギリスで買い付けたシルクやアンティークの布を一枚ずつ手染めして、刺しゅうを施したりして自分の作品を作り始めます。すると人々が刺しゅう作品だけでなくシンプルなヴェルヴェットのクッションも欲しいというリクエストしました。それをきっかけに手染めの布地によるクッションの制作を始め、いまもずっとつくり続けています。
キルステンがイギリス・サフォークに移り住んで15年、緑豊かな自邸の広い庭で手染めをしています。曇りで乾燥している日が染色日和。なぜなら快晴の強い陽射しの中では、微妙な色を見分けることが難しいから。毎朝、庭に座って一杯の紅茶を飲むことから一日がスタート。都会に住んだことがないというキルステンは、心からのアウトドアパーソンで、大自然のなかでインスピレーションを感じることが大切だと言います。